在留資格「技術・人文知識・国際業務」の方を雇用する会社の受け入れ準備について
在留資格「技術・人文知識・国際業務」 | 出入国在留管理庁 (moj.go.jp)
日本で就労できる在留資格、いわゆる就労ビザのうち、「技人国ビザ(ぎじんこくビザ)」と呼ばれる在留資格は、正式には在留資格「技術・人文知識・国際業務」のことです。日本で就労している外国人の方にはこの在留資格を持って活動している方が多くいます。
技術、人文知識、国際業務、それぞれ要件や仕事内容が異なりますので、技人国の外国人の方を雇用しようと考えている会社では、求人・面接・採用の際に注意が必要です。
今回は在留資格「技術・人文知識・国際業務」の外国人の方を雇用したいと考えている会社ではどのような受け入れ準備が必要になるのかご紹介します。
実際のところは、大企業や中小企業で入管に提出する書類が異なりますが、今回は中小企業を想定してご説明いたします。
会社の受け入れ準備
中小企業で技人国ビザの外国人の方を雇用する場合、以下のような書類・準備が必要となります。
①法定調書合計表
「前年分の職員の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表」を提出してください。
②直近年度の決算書
直近の決算書を提出してください。
新しい会社を設立する場合は、決算書の代わりに事業計画書を提出してください。
すでにある会社での新規事業の場合は、決算書と事業計画書を提出してください。
③会社の登記事項証明書
会社の登記事項証明書(履歴事項全部証明書)を提出してください。登記事項証明書は法務局で取得できます。
④会社概要・会社組織図
会社の事業内容がわかる会社概要・会社組織図等の資料を提出してください。
会社の沿革、役員、組織、事業内容、主要取引先と取引実績、ホームページ等を記載してください。
⑤雇用契約書
雇用の条件のわかる雇用契約書や雇用条件通知書を提出してください。
雇用契約を結ぶ時に注意する点としては、日本人が従事する場合に受ける報酬と同等額以上の報酬を受けることが必要となります。
外国人であることを理由に給料を低く設定することはできません。
また、最低賃金は地域別、産業別に異なりますので気をつけてください。
外国人の方に契約内容をしっかりと理解していただくことで、働き始めてからのトラブルを防ぐことができます。
⑥社会保険の加入
社会保険・労働保険に加入していない会社は社会保険・労働保険を整備してください。
・社会保険…「健康保険」「厚生年金保険」「介護保険」
・労働保険…「雇用保険」「労災保険」
外国人の方に税金や社会保険について説明して、しっかりと理解していただくことで、働き始めてからのトラブルを防ぐことができます。
⑦仕事内容に注意
在留資格によって就労できる職種が異なります。
「技術」
技術開発者、システムエンジニア、設計、CADオペレーター、機械工学・電気技術者、建設業の施工管理等
「人文知識」
営業、企画、経理、総務、生産管理、金融専門職、広告・マーケティング業務、コンサルティング業務等
「国際業務」
翻訳、通訳、語学学校の講師、服飾デザイナー、インテリアデザイナー、商品開発等
「技術」「人文知識」について要件や具体的な仕事内容は、こちらの記事で紹介しています。
「国際業務」について要件や具体的な仕事内容は、こちらの記事で紹介しています。
働き始めてからの注意
無事に申請を終えて技人国の在留資格を受けてからも、会社は注意することがあります。
外国人の方の在留資格には期限があり、これを「在留期間」と言います。
会社も在留期間を把握しておき、在留期間を過ぎることのないように注意してください。
オーバーステイになった外国人の方を雇用し続けると不法就労になってしまいます!
在留期間更新申請の際は会社も協力して資料を提出しましょう。
以上、在留資格「技術・人文知識・国際業務」の外国人の方を雇用する会社の受け入れ準備についてのご紹介でした。
在留資格「技術・人文知識・国際業務」のうち、「技術」「人文知識」について要件や具体的な仕事内容は、こちらの記事で紹介しています。
在留資格「技術・人文知識・国際業務」のうち、「国際業務」について要件や具体的な仕事内容は、こちらの記事で紹介しています。
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